大阪亜鉛鍍金株式会社

溶融亜鉛めっき製品の取り扱い

溶融亜鉛めっき製品の保管と取扱い、めっき後の製品の加工について説明します。

1 保管について

溶融亜鉛めっき製品は、めっき後1~2週間の間に、雨に当たったり外気の温度変化によって結露した時、白さびが発生することがあります。一般には白さびは、日を経るに従って亜鉛めっき独特の灰白色の安定性のある保護被膜にとって代わりますが、新品の間に白さびが発生すると見栄えが芳しくありません。白さびを防止するには、次の保管方法をとるようにしてください。

①めっき後すぐに雨中をトラック輸送するとき、シートをかけてください。

②保管は、風通しのよい屋内においてください。屋外でシートをかけて保管すると、内部が蒸れて白さびが発生しやすくなることがあります。

③腐食性の雰囲気や、腐食性の液体などが触れないようにしてください。

④地面が濡れていたりするときは、台木を敷いてください。

⑤裸鋼材をめっき材の上に置くと、鋼材の錆がめっき製品の上に落ちて、赤さびが発生したように見えることがあります。

当社では白さびを防止するために、表面処理を行っています。めっき後に塗装を行う製品以外では、白さび防止処理が有効です。

2 取扱いについて

溶融亜鉛めっき皮膜は亜鉛と鉄の合金層で鋼素地と強く密着しており、通常の取り扱いでは、傷ついたりすることはありません。しかし、いくら丈夫だからといって、トラックの上から地面に投げおろしたりすると、めっき面を傷つけたり欠損することがあります。破損した亜鉛めっき面の補修には、高濃度亜鉛未塗料を塗布します。通常の使用環境では、亜鉛めっきと同等の耐食性をもっています。外観だけを回復する目的でしたら市販のシルバースプレーを使用できますが、耐食性については期待できません。

3 めっき製品の曲げ加工

溶融亜鉛めっき製品は、強度な曲げ加工を行うと、めっき皮膜が浮き上がったり、剥離することがあります。溶融亜鉛めっき製品は、曲げ加工を行ってからめっきを行うことが基本ですが、どうしてもめっき後に曲げ加工を施す場合は、事前に当社に相談ください。より厳しい曲げ加工を行うには、鋼材面に粗度を与えるなどの対策が必要です。

4 めっき製品の溶接

亜鉛めっき鋼材の溶接は、つきまわりがよくないので熟練度が要求されます。また溶接部の高温でめっき皮膜が蒸発、消失するので、溶接後に同部分を高濃度亜鉛未塗料で補修する必要があります。溶接の際に発生する亜鉛の蒸気を大量に吸い込むと、風をひいたような一過性の中毒症状を起こすので、作業中の換気を十分にしてください。止むを得ない場合は別にして、めっき前に溶接を行うことが基本です。

5 異種金属との接触を避けてください

溶融亜鉛めっき製品が、銅やアルミなどの異種金属と接触して設置されると、空気中の水分や水滴を介して接触した部分に局部電池が形成され、接触部分周辺の亜鉛めっき面が急速に消失することがあります。溶融亜鉛めっき製品を異種金属や裸鋼材に取り付ける場合は、電気絶縁接合を行うことが有効です。

6 摩擦接合のための表面処理

建築基準法では、一定の高さ及び床面積をもつ建築物を、ボルト締めで構築する場合、ボルトの強度と共に、締め付け面の摩擦係数が規程されています。滑り耐力は、ボルト締め力に接合面の摩擦係数を乗じた力になるからです。無処理の溶融亜鉛めっき表面の摩擦係数は、通常0.15~0.28の範囲にありますが、建築 基準法では、0.4以上摩擦係数が必要とされています。 摩擦接合のための表面処理については、当社まで連絡ください。

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