大阪亜鉛鍍金株式会社

溶融亜鉛めっき製品の外観品質

JIS H 8641「溶融亜鉛めっき」の「解説」に示されている外観品質について説明します。

1 不めっき

局部的にめっき層が欠落したものが「不めっき」です。直径2㎜程度までの不めっきは、亜鉛の犠牲防食効果によって、めっき皮膜全体の耐食性に影響をあたえませんが、通常は外観確保のために高濃度亜鉛未塗料による補修が行われます。

2 やけ

めっき皮膜の合金層が、めっき表面にまで達したものが「やけ」です。光沢が残る軽度なものから、暗灰色まで様々な程度があります。やけの発生原因は、鋼材の材料質(成分)によるものが多いようです。「やけ」は、耐食性に影響をあたえませんが、亜鉛めっきの上への塗装方法によっては問題となる場合や、また亜鉛めっきの光沢を失うため、外観品質として不可とされる場合があ ります。「やけ」が不可とされる製品では、鋼材の選定やめっき条件に注意が必要です。

3 たれ

部分的に亜鉛が垂れたようになって、著しく付着しているものが「たれ」です。「たれ」は、亜鉛のかたまりなので、耐食性にとっては無害ですが、実用上さしつかえのある場合は、仕上げ作業でやすりなどで除去します。

4 かすびき

めっき浴表面の亜鉛酸化物やスラグが、製品に付着したものが「かすびき」です。 内部に腐食性物質を含む場合があるので、仕上げ作業で除去します。

5 ざらつき

めっき表面に小さなぶつぶつが、多数見られるものを「ざらつき」と呼びます。 鋼材の表面状態が原因であるものと、浴亜鉛中のドロスの粒子が付着したものがあります。後者はめっき作業上の問題ですが、鋼材の材質によるものでは、対応が困難な場合があります。

6 きず

製品はめっき治具につりさげてめっきされます。この時、製品と治具が接触し、その部分にすれ跡などが残ることがあります。これを「きず」と呼びます。有害の程度をみきわめて、必要な補修や手入れなどを行います。

7 白さび

めっき直後のめっき面に雨水や結露した水分が付着し、徐々に乾燥したときに、まだらや斑点状に白い粉がふいたようになる亜鉛めっき独特の現象が「白さび」です。相当厚く発生したように見える白さびでも、実際の亜鉛めっき皮膜の損失厚さは、わずか1~2ミクロン程度です。 日数をへると白さび面の下にも保護被膜が形成され、めっき寿命に影響をあたえることはありません。

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